英語教師きいとのブックマーク

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なぜ週1回の英会話レッスンで英語が得意になるのか──ECCジュニアの教材とクラス分け

親が習わせたい習い事ランキング1位「英会話」

マイナビの記事によると、「英会話」は子どもの習い事ランキング4位、親が習わせたいランキングでは1位だそうです。(参考:子どもの習い事、習っているもの・習わせたいものランキングの1位は? ( マイナビニュース)

私自身 英会話を習ってこなかったし、周囲で英会話を習っている人はごく少数で、街にも英会話教室なんてなかったように思うのですが、今では街中で小中学生向けの英会話教室を見かけることが多くなりました。

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そして受け持ちの生徒を見ていると、常にテストで高得点を取る生徒の中には英会話を習っている生徒もいます。

単純に考えて、我々英語教師が週4時間かけて教えても教えきれないと感じる)ことを、たった週1回の英会話で教えてしまう英会話教室って、めちゃめちゃすごくないですか。なんでそんなことが可能なんだろう?

そんな疑問を抱えていた折、生徒が教室で英会話の宿題をしていたので(もちろん休み時間)、何か特別なことが書いてあるのでは?と興味津々で教材を見せてもらいました。

 

ECCジュニアの教材(中学生)

私が見せてもらったのはECCジュニアの教材です。見せてもらった分と調べた情報をまとめると、その量におどろきました。

  • SPEAKING DRILLS・・「話す」登場人物の会話、ターゲットセンテンス、パタプラなど。学校で言うところの教科書に近い。
  • WRITING DRILLS・・・「書く」並び替えや空所補充などの練習問題がびっしり。学校で言うところのワーク。
  • Anthology・・・・・「読む」まとまりのある長文が26話も。音読、シャドウィング用。表に英文、裏に和訳。
  • Access Handbook・・・「語彙」例文つき単語帳。大学受験の時に使うようなやつ。生徒いわく「毎週単語テストがあるんです!(泣)」
  • Homework Book・・・直訳すれば宿題本。見たところWRITING DRILLSと同じ分量ある(゚д゚)!
  • ウィークリーテスト・・・前の週に習った単語とターゲット文の復習テスト
  • CD、DVD付き

教材費だけで18,000円くらいかかるそうです。(さらに入学金、授業料など諸々プラス)

レッスンは週1回ですが、とにかく膨大な量の宿題が出て、毎週確認テストをしているとのこと。ここに写真を掲載するのは控えますが、どの教材もかなりボリューミーで、語学習得に必要とされていることを全て詰め込みました!という印象。

そりゃこの量を毎週きっちりこなせるなら、学校のテストで90点台なんて余裕か・・・。

 

ECCジュニアの教材(小学生)

さらに小学生コースで使う教材も気になったので調べてみました。指導要領改訂に向けて2019年に教材がリニューアルしたとのこと。

  • COURSE BOOK・・・学校で言うところの教科書。中学生コースのSPEAKING DRILLSに相当。
  • THINK and TALK・・・日本や世界、理科、社会、保健など様々な分野について英語で理解し学ぶ教材。この教材がとても面白そう!
  • WORDBOOK・・・単語帳。中学生コースのAccess Handbookに相当。
  • WRITING DRILLS・・・中身は見ていないのですが中学生コースと同じ名前なので多分ワーク。
  • Page-Turners・・・スーパーラーニングコースのみ。物語の小冊子を年間30冊音読する。
  • もちろんCD・DVD付き

前バージョンに比べて語彙や英文量が増え、さらに思考力・コミュニケーション力育成のための新教材(THINK and TALKが登場。この教材がすごく面白そうで興味があります。(詳しくは公式サイト:ECCジュニアで新学習法CLIL(クリル)を導入します

さらに、前バージョンにはPHONICS BOOKというフォニックスに特化した教材があったのですが、今回の改訂ではそれがなくなり、代わりにフォニックスやターゲット文を家庭学習用DVDで予習する形式に変わったそうです。

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いやいや、DVDを見てフォニックスやターゲット文を予習できる小学生って、スーパー小学生すぎませんか!? 小学校の英語教育が始まったから、これくらい普通ってことなんでしょうか・・・。

と思っていたら、とあるECCジュニア教室のブログに「前の分量でも苦戦している子がいるのに、今回の増量は想像を絶する」という旨のことが書いてありました。抱えている悩みは学校も英会話教室も同じなのかもしれません。

 

ECCジュニアのクラス分け

ECCジュニアのクラスは中1,中2・・・という言い方ではなく年齢と難易度を表すアルファベット2文字で表します。

  • 2才~3才・・・PT
  • 4才~5才・・・PB
  • 小1~小3・・・PFPI
  • 小4~小6・・・PEPA
  • 中1・・・JE
  • 中2・・・JI
  • 中3・・・JA

年齢・・・小学生以下(Primary), 中学生(Junior)
難易度・・・基礎(Fundamental), 初級(Elementary), 中級(Intermediate), 上級(Advanced) 
就学前児・・・PTPrimary Three-year olds), PBPrimary Basic)
※小学生コースは、通常のPクラスに追加して 読み書きに特化したスーパーラーニングコース(SE,SI,SA)を受講するパターンもある。

コース名を知っていると、色々な情報を検索”できてしまう”ので便利です。

 

まとめ──なぜ週1回の英会話レッスンで英語が得意になるのか

さて、なぜ週1回の英会話レッスンで英語が得意になるのかという疑問から、まるでECCの宣伝のような記事を書き上げましたが、私は一度もECCに通ったことがないし、ECCの回し者でもないということをここに誓います。本当です。

 

ECCについて調べるまで、私は英会話教室スイミングスクールのようにそこに通えば誰でもスキルが身につく場所だと思っていました。家で全く練習しなくても、そこに通うだけで誰でも泳げるようになる、誰でも英語が得意になる。すごい!なぜ?と。

だけど実際は、英会話教室はむしろピアノ教室に近いのです。家でたくさん練習した成果を週1回のレッスンで先生に見せて修正してもらい、また家で練習する。週1回のレッスンよりも、残り6日間の練習量が上達のカギを握るのです。

英会話教室をスイミングスクールのようなものだと思っている人は、いつまでたっても英語が上達しないでしょう。

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優れた英会話教室とは、別に特別な教え方をするわけではなく、シンプルに毎日コツコツ学び続ける状況を作り出すのがうまいっていうことなのかもしれません。ECCジュニアが提供する質で量の教材や、毎週テストをするというシステムは、その動機付けの一部なのでしょう。

 

英会話教室にしかない秘密の教授法があるのでは!?と思って調べ始めたのに、一周回って英語は毎日勉強しないと上達しないという事実に原点回帰してしまいました。

さて、生徒が毎日コツコツと勉強するために、私はどのような動機付けができるのか。試行錯誤はまだまだ続く!

 

余談ですが、ECCジュニアの公式HPを見ても私が知りたい情報をなかなか得られず、ネット上の各所に散らばる情報を拾い上げてまとめるのに想像以上の時間と労力がかかりました。かかった時間は当ブログの文部科学省の外国語教材Bridgeについてと同じかそれ以上。疲れたー!