英語教師きいとのブックマーク

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7つの習慣を授業で扱うための、おすすめの本とワーク①

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世界的ベストセラーの「7つの習慣」。この本を読んだ時、私自身とても衝撃を受け、今後生きていく上でバイブルになるだろうと思った名著です。

是非生徒たちにも知ってほしいと思っているので、道徳や学活で7つの習慣のトレーニングをすることがあります。今回は、7つの習慣を授業で扱うための、おすすめの本とトレーニングを紹介します。

 

7つの習慣を理解するためのおすすめの本

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

 

まずは原作を読んで理解。英和辞典よりも分厚いので読み終えたときの達成感がすごいです。忙しい場合はマンガ版でも。

 

そして、私が一番参考になったのはこの本です。

ぼくに7つの習慣を教えてよ!

ぼくに7つの習慣を教えてよ!

  • 発売日: 2015/05/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

「ぼくに7つの習慣を教えてよ!」は、ある小学校で行った授業を再現した本です。学生向けの「7つの習慣ティーンズ」という本もあるのですが、私は前者の方が好みでした。

7つの習慣ティーンズ【リニューアル版】

7つの習慣ティーンズ【リニューアル版】

 

 「ぼくに7つの習慣を教えてよ!」には、7つの習慣を理解するためのエピソードやトレーニング(講演などで馴染みなのは「ワーク」という言い方ですね)がたくさん紹介されています。

ここでは、私が授業で実際に使ったトレーニングや、本に載っていないトレーニングを紹介します。トレーニング番号は本と対応していますので、詳しく知りたい方は是非お買い求めください。

 

7つの習慣と、それを学ぶためのトレーニング(ワーク)

「7つの習慣」とは、簡単に言うと、人格を磨くための基本的な7つの原則です。この原則を守ることで自らがより良い人になり、より良い結果を引き寄せて、より良い人生を送ることができる(=成功する)のです。

  1. 自分が選択する
  2. 終わりを考えてから始める
  3. 大切なことを優先する
  4. Win-winを考える
  5. まず相手を理解してから、自分を理解してもらう
  6. 相乗効果を発揮する
  7. 自分を磨く

 

1.自分が選択する

成績が悪いのは、親のせい?学校のせい?都合の悪いことでも人のせいにせず、自分の行動・発言・感情に責任を持つことを学びます。

 

 トレーニング6 心の一時停止ボタンを押す

 成績が悪いのは学校のせいだ、リレーで1位が獲れなかったのはコースのせいだ、友達にカッとなってキレた、など、日常の様々な文句やトラブルを共有したあと、心の一時ボタンを押して見方を変えることで前向きな態度に切り替えられることを学びます。

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「心の一時停止ボタン」っていう表現が好きです。

 

 トレーニング7 自分がコントロールできることに集中する

 赤と黒の大きな二重丸を黒板に書きます。

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次の事柄について、自分でコントロールできることは赤い円の中に、自分にはどうにもできないことは赤い円の外に入れてください。

天気、朝起きる時刻、家に帰ってから何をするか、(中略)、先生の態度、寝る時間

 まずは手元のワークシートで考えてもらって、そのあと代表者に前に黒板に出てきてカードを貼ってもらいます。意外と人によって考え方が違うので面白いです。「天気」なんかは満場一致で黒丸なんですが、「先生の態度」あたりは自分の行いで変えれるかもと思って赤丸の中に入れちゃったり。先生の助言によって、赤丸の中の項目のいくつかを円の外に移動します。

そして解説。赤丸と黒丸はそれぞれ以下のことをあらわします。

  • 赤丸の中・・・「影響の輪」─自分でコントロールできること
  • 赤丸の外、黒丸の中・・・「関心の輪」─自分ではコントロールできないこと

生徒たちは日々、親や先生の機嫌や友達からの既読スルーなど関心の輪にとらわれがちですが、影響の輪に集中することでもっと楽に、充実した生活を送ることができます。

そのあと出てくるイチロー松井秀喜の「影響の輪」に集中するエピソードもダメ押しで良い感じです。

(とは言え、やはり私自身も体育祭や合唱コンクール前はクラスの勝敗が気がかりで・・・それが「影響の輪」の中のことだと深層心理で思っちゃってるからなのでしょうが。なかなか本当の影響の輪に集中するのは難しいです。)

この考え方はアドラーの教えにも通じていますね。(参考記事:アドラー心理学を教室で──道徳や生徒指導で使える「心の三角柱」の話

 

このように、自分の行動・発言・感情に対して自分で責任を持ってコントロールし、主体的に行動することが第一の習慣です。

 

2.終わりを考えてから始める

自分はどんな人間になりたいのか?なぜ勉強するのか?自分なりにイメージすることで、勉強や部活へのモチベーションが湧いてきます。

 

 トレーニング8 ゴールのない迷路

 ゴールがなくスタートだけ書いてある迷路をさせます。中学生くらいならすぐ「先生、この迷路ゴールがありません!」と気付くでしょう。あるいは、あみだくじの1つだけ当たりにしておいて、何回目のチャレンジで当たりにたどり着くか、でも良いです。

おかしいと思うものにチェックを入れましょう。

ロ 家の設計図を見ずに家を建て始める

ロ 洋服の寸法を測らずに縫い始める ・・・・・・

こんな人、本当にいるのでしょうか。でも、実生活に置き換えてみると、こういったおかしいことが実際に起きていたりするものです。 あみだくじなら、当たりの場所を知っていれば一発で正解にたどりつけるというのに。

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 人生のゴール(なりたい自分)をイメージすることで、そこに至るまでの道のりも苦ではないと感じてくれるはずです。しかし、生徒と面談をしていると、将来の夢がわからない、行きたい高校がない、なんていう生徒は普通にゴロゴロいる、というのが個人的な印象です。

そんな彼らにいきなり「将来の夢を決めろ!」と言っても無理な話なので、人生に希望を持ってもらうためのワークをします。

 

 トレーニング10 夢を叶える100のリスト

 自分の叶えたい夢を100個書くというやつです。本当はトレーニング9のミッションステートメントの方がメインなのですが、盛り上がるのはこちらの方かと。うまくつなげられたら良いのですが。

 この本に紹介されているワーク以外にも、

  • ビジョンボード(美術や技術の先生は得意分野)
  • マンダラート大谷翔平選手でおなじみ。部活など目標がはっきりしている場合)

もおすすめです。また書ける時にくわしく書きます。

 

 

予想以上に長くなりそうなので次回に続きます!