マルチプルインテリジェンスで、自分に合った学習法を知る
先日、坪田先生の「人間は9タイプ」という本を紹介しましたが、これとは別の8タイプ分類も見つけました。それはマルチプルインテリジェンスという考え方です。
マルチプル・インテリジェンスとは
人間の個性は様々です。作文が得意な子、スポーツが得意な子、歌うのが得意な子・・・。普段授業でぶすっとしている生徒が、部活になると生き生きしたり、人に優しくしていたりなど、今まで知らなかった意外な一面を発見するとその日1日ハッピーになれます。大げさに言うと、この仕事について良かったなと思います。
では、私たちが「個性」と呼ぶものの正体は、一体何なのでしょうか。ハーバード教育大学のハワード・ガードナー氏は、人間には8つの知能があり、その強弱が個性であると唱えています。
これらの8つの知性の中で得意な方向からアプローチすることで、その人の個性をいかした力の伸ばし方ができるそうです。
- 言語的知能・・・・・・・話し言葉、書き言葉への理解力や感受性が高い
- 数学的・論理的知能・・・論理的思考ができる。規則性を見つけたり、予測が得意。
- 空間的・視覚的知能・・・絵画が得意。クリエイティビティーがある。
- 身体的・運動的知能・・・運動能力が高い。身体を自由にコントロールできる。
- リズム・音楽的知能・・・リズム感や音感が優れている。音楽の感受性が高い。
- 対人関係の知能・・・・人との関わり合いが好き。グループワークが得意。
- 内観の知能・・・・・・自立心や決断力がある。独自のやり方を見出す。
- 自然・環境の知能・・・環境・自然・動物に関心が高い。アウトドアが好き。
英語の学習に当てはめると
マルチプルインテリジェンスの考え方を英語学習にあてはめてみると、以下のような学習法が効果的だと考えられます。
- 言語的知能・・・・・・・英語で書かれた本を読み、要約する。
- 数学的・論理的知能・・・文法を学習する。
- 空間的・視覚的知能・・・英文を暗記し、再現する。英語を視覚的に頭に残す。
- 身体的・運動的知能・・・口や手に覚えさせるために、ひたすら言ったり書いたり。
- リズム・音楽的知能・・・洋楽を聞く。リズムを意識したクイックレスポンス。
- 対人関係の知能・・・・英会話を習う。
- 内観の知能・・・・・・学習の振り返りをして、改善する
- 自然・環境の知能・・・英語で図鑑を読む(しかけ絵本がおすすめ↓)
私は今まで(今も)文法を中心にした指導をしてきたので、②数学的・論理的知能に偏った授業をしていたのだなと反省。英語の授業の中で、8つの知能をバランスよく取り入れた授業を意識すれば、より多くの生徒に興味を持ってもらえるのかもしれません。
クラス運営・グループ学習に当てはめると
ソースを見つけられなかったのですが、理科の実験グループを分ける時にマルチプルインテリジェンスを参考にしているという情報を見たことがあります。
身体的能力が高い生徒が実験用具を取りに行き、論理的能力が高い生徒が予測を立て、視覚的能力が高い生徒が観察結果をイラストにまとめ、言語能力が高い生徒が発表原稿を書く。それらのメンバーを対人関係の能力が高い生徒がまとめる・・・というように、1つのグループの中に異なる能力を持つ生徒がいるように、意図的に振り分けるそうです。
確かに、グループ学習もクラス経営も、集団の中で多様性がある方が良いと思います。無作為に決めたグループだと、どうしても学習が盛り上がる班とそうでない班がでてきてしまうので・・・。
自分はどのタイプ?学活や道徳でマルチプルインテリジェンスを学ぶ
こちらのサイトでは、マルチプルインテリジェンスについての授業実践が書かれています。
- 9つの知能(なぜかこのサイトでは9つ)を紹介
- ある有名人が、どの能力を持っているかをグループワークで考える
- 自分はどの能力を持っているか・どんな能力をこれから伸ばしたいか
という授業展開です。
学活でも、グループ分けでも、英語の授業にも役立つマルチプルインテリジェンス。今後も活用していきたいです。
参考サイト