おすすめ本「ケーキの切れない非行少年たち」感情のペットボトルと「コグトレ」
今日は、 一時期話題になった本「ケーキの切れない非行少年たち」より、印象に残った話を紹介します。
本の内容はこちら↓
児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
この本は、タイトルの通り非行少年たちの認知能力の低さに焦点をあてています。
学校や社会の中で忘れられがちな「病名のつかない子どもたち」の存在に触れた上で、第7章では1日5分でできる認知機能を高めるためのトレーニングがいくつか紹介されています。認知トレーニングだけをまとめた「コグトレ」シリーズもあります。↓
私が特に印象に残ったのは、感情表現の必要性と方法について説明する「感情のペットボトル」です。
画像:「ケーキの切れない非行少年たち」より
- ペットボトルにそれぞれ感情のラベルを貼り、水を入れる。
- 「怒り」だけ2リットルペットを使用。トラブルを招きやすい厄介な感情。
- 「嬉しい」は水を入れず空っぽにする。
- 全てのペットボトルを1つの袋に入れて担がせる⇒感情を抱え込むことは重くてしんどいこと
- ペットボトルを1本ずつ取り出すとだんだん袋が軽くなる⇒感情を外に出すと、心が楽になる
- 「怒り」のペットボトルを外に出すとすごく楽になる⇒「怒り」を溜め込むのはしんどいこと
- もし「怒り」のペットボトルを取り出すときに相手に投げつけたら?⇒相手が怪我をする。犯罪になる。
「怒り」のペットボトルも、相手にそっと優しく渡せば相手を傷つけません。こうして、子どもたちに「怒り」の感情の表現の仕方を教えるそうです。
以前道徳の平先生の本も紹介しましたが、人間が生きていく上で身に着けるべき態度や考え方を可視化して伝えると、印象に残って後から思い出しやすいので、有効な方法だと思います。
まだお読みでない方は、是非読んでみてください。