ワードカウンター:スピーキングで「流暢さ」を測るための便利教材
今年度も終わりを迎えようとしています。
3月は文科省発行のBridgeに関する記事へのアクセスが多く(当ブログに来ていただいた方の9割以上!)、私のように3月に駆け込みでBridgeに取り組まれた先生も多いのかなと思いを馳せていたところです。2年生を受け持つ先生方は単元が多くて大変だったと思います。お疲れ様です。
個人的には、題材や見せ方が面白いし、何より紙面がシンプルで好きでした。
さて、来年度は今年度よりもさらに「話すこと」に重点を置いた指導をしなくてはいけないようです。なんとなく教室に英語が飛び交って活気あふれる話し声が聞こえたらペアでの活動がうまくいっているように錯覚してしまいますが、各ペアの発話の中身まですべて把握するのは至難の業。
そんな中、「どれだけ話したか」を生徒同士で計測し、記録できるアイディアが紹介されていました。
ペアが話している間、もう一人がプリント上の数字を指でなぞりながら発話語数を数えます。まるで野鳥の会の方々のよう。
4月には発話語数60語だった生徒が、3月には100語近く話せるようになったという例もあるそうです。発話の中身(正確さ・内容)は計れませんが、生徒自身がスピーキング活動を振り返る材料の一つとして、発話語数という考え方は興味深いと思いました。
(ただ、教室の中に発話語数を正確に数えられない生徒もいるとは思うので・・・そういう生徒とペアになった生徒のフォローを考えなくてはいけませんね。)
オリンピックに関する言語活動で使えるサイト
文部科学省の外国語教材Bridgeの最初の単元で、オリンピック競技に関する言語活動があります。「何の競技を見たい?」と聞く前に、どんな競技があるのか知らない生徒も多いと思うので、一覧にして配るといいかと思います。
参考:文部科学省の外国語教材Bridgeについて(追記あり)
3040ENGLISH─オリンピック競技の英語と日本語が表になっているサイト
最初、オリンピックの公式HPの日本語版と英語版を対にして配布すればいいと思いついたのですが、日本語版と英語版で紹介されている競技の順番が違う(日本版ではあいうえお順、英語版ではABC順)ことから、そのままコピーして配布するには手間だと気付きました。
このサイトでは、競技の英語と日本語が表になっていてわかりやすいです。
公式サイトではピクトグラムが紹介されています。
オリンピック種目のピクトグラム(日本語版)
オリンピックのピクトグラム(英語版)
ピクトグラムや写真と一緒に紹介した方がどんな競技が想像しやすいのですが、私はラクして文字だけのプリントになりそうです。。。
単語と単語のあいだにスペースをとらせる正義のヒーローSpaceman
ALTから教わったシリーズ。
単語と単語の間のスペースが上手にあけられない生徒がいます。そんな生徒に簡単に、かつ和やかにスペースをあけさせるアイテムを教えてもらいました。
それは、スペースマン・スティックです。
space「空間」とspace「宇宙」がかかっているところがナイス。宇宙飛行士の格好をしているスペースマンのシール(自分でも作れそう)をクラフトスティックに貼ります。
※クラフトスティック:ガリガリ君に使われているような木製の棒。さすがに使用済みのものを使うのは気が引けますが、100均で"マドラー"として50本セットくらいで売っていました。
外国の学校で使われているようです。
他にも、スティックの先端に目玉シールを貼って「focus stick」にしたり、スティックの使い方は無限大。
スティックに意味順シールを貼れば作文指導にも使えるかもしれません。
サイコロが床に落ちてどこに行ったかわからなくなるのを阻止する方法
グループワークでサイコロを使う時に、勢いよく転がしたサイコロが床に落ちて「せんせー、サイコロがどっか行きましたー」っていうこと、ありませんか?
グループの子がそれぞれの机にかかっている手提げや体育館シューズ入れの中をせっせと探し、隣の班の床まで捜索に行って、そのあいだゲームの進行も止まって集中力もなくなる・・・
そうならない方法をALTに教えてもらいました。
それは、サイコロボトルを作るのです!
作り方は、100均で透明な小さい瓶を買ってその中にサイコロを入れるだけ。サイコロを振るのではなく瓶を振るだけなので、サイコロが転がっていってなくなる心配がありません。(サイコロ賭博の透明バージョンということですね・・・)
検索したらネットにも紹介されていました。
少しの工夫で授業の進行がスムーズになる、ALTが教えてくれたアイディアでした。
嬉しかったけど、これでいいのか?と思うこと。
久々の更新です。年が明けて、授業進度が遅いのでは?とちょっと焦りながら進めています。
今日は、自分の中で「嬉しかったけど、これでいいのか?と思うこと」を書き留めておきます。
うちの学校では毎年生徒に授業に対する取り組みを自己評価させています。
9教科の授業に対してそれぞれに「授業に一生懸命取り組んでいるか」という項目があるのですが、その中で、私が受け持つ1年生英語の項目で「とてもそう思う」「そう思う」と答えた生徒の割合が校内で一番高かったことがわかりました。
これは自分史上でも一番良い結果だったので驚きました。
この結果は「英語の授業で自分は頑張ってる!」と思ってくれている生徒が多いということなので嬉しいのですが、同時に、これでいいのか?とも思いました。
なぜなら、私は今年度、時代に逆行する授業スタイルをとっているからです。
- 予習は新出単語の意味調べ
- 宿題はノートに本文写し・全訳
- 教科書準拠ノートの使用
- 授業の進め方は 文法→本文→文法→本文
- 発表は挙手制
- オールイングリッシュならぬ、オールジャパニーズ
- 学期に1~2回のパフォーマンステスト
文科省の方が見たら卒倒するような授業スタイルかもしれません。
それでも、これまで色々試行錯誤して”今風の”授業スタイルを試していたときよりも、このスタイルの方が生徒たちが「一生懸命取り組んでいる」と答えたという・・・皮肉なものだなと感じました。
今のスタイルのメリットは
- 次に何をするかわかっているので安心感がある。
- わからない単語は自分で調べる習慣がつく。
- 意味がつながって良い日本語訳ができた時の喜び。
- 教科書準拠ノートを埋めて完成させていく達成感。
あたりかと。
まるで昭和のこの授業スタイルに戻したのは、あるおばあちゃん先生と出会ったことがきっかけです。今まで、単語リストを先渡ししたり、全訳を配ったり、訳を穴埋め形式にしたり、先回りして本文に朱書きを入れさせたりしていましたが、(「ここのitはこの単語のことを指しています!」)生徒は次のプリントを与えられることを待つばかりで自分から取り組もうとしない。おばあちゃん先生によれば、それは「過保護」で「甘やかしている」のだそうです。
古き良き昭和スタイルとも言えるおばあちゃん先生のスタイルを取り入れてから、案外生徒は手取り足取りしなくても自分で学習を進めていくたくましさを持っているのだなと、今年度の生徒たちを見て思う時があります。
とは言え、来年度からはこのスタイルは通用しないことも確か。だからこそ「これでいいのか?」と思ってはいるのですが・・・。
過保護になりすぎないことは意識しつつ、新たな指導要領に適した指導法を考えていかないといけません。『場面や状況を設定した言語活動』。これがキーワードかなと思っているので、あと2ヶ月で情報収集したいと思います。
おすすめ本「なぜ2時間営業だけでうまくいくのか?」著:大西益夫
読書の秋です。
図書館でたまたま見つけた本。イラストも写真もない、文字だけの表紙。あざやかなオレンジ色が目を引き、手に取りました。
読んでいくうちに、これはビジネス書ではない。教育書だ。と思いました。
著者はラーメン屋を営む経営者ですが、変わった理念を持っています。それは「1000日後に閉店する」というルールです。期限を設定することで今を大切に生きることができるし、その方が成長できるからだそうです。
しばらく前に「100日後に死ぬワニ」というマンガが流行ったのも、同じ理由かもしれません。普段私たちは、今の生活に終わりがくるなんてあまり意識していませんが、終わりを意識することで1日1日が尊く、大切にしようと思えるのです。
「1000日後に閉店する」というのを見たとき、私は「教師の働き方に似ているな」と思いました。中学校は3年間で卒業です。365×3年=1095日。どれだけ良い学年でも、どれだけ荒れている学年でも、約1000日後にはいなくなってしまいます。
さらに著者は、1000日を200日ごとの5クールに区切って、メニューを刷新したりするそうです。学校でも学期という区切りがあるので、そこも似ているかもしれません。
気付くと私は、「もしこの著者が先生だったら?」と考えながら読んでいました。
著者のマインドや、現地スタッフ(アメリカの若者)への指導法は、経営者だけでなく、教師が読んでも勉強になることばかりです。興味ある方は是非読んでみてください。
黒板アートが苦手でもアイディア無限大で楽に描けちゃう裏技
先生方、黒板アートは得意ですか?
私は絵心がないので、黒板アートが苦手です。なので、入学式や卒業式、また体育大会や合唱コンクールが近付くとちょっぴり憂鬱でした。
本当はネットで見るような芸術的な黒板アートを描いてあげたい、そこまでじゃなくても、ちょっとしたカットイラストを黒板に描けたらなあ・・・と思いながら、メッセージを書いたり、子どもたちにメッセージを書かせたりしてお茶を濁していました。
同じ学年に黒板アートが得意な先生がいると、自分のクラスの生徒への申し訳なさは倍増します。「あのクラスの先生はこんなことを書いてくれた!」みたいに言われると「ごめんよ・・・」という気持ちでいっぱいになりました。
でも最近、ネットで最強の裏技を知りました。
それはずばり、「プロジェクターで映す」のです!!
ちょっとずるいことをしている気にもなりますが、黒板アートはノールールということで。黒板アートが苦手で悩んでいる先生におすすめです!