英語教師きいとのブックマーク

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おすすめ本「政治の絵本」たかまつななの政治について学べるゲーム2種

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先日英語の授業で「お金の授業」をするためのヒントという記事を書きましたが、お金の授業以外にも授業で扱いにくいテーマがあります。それは「政治」。家庭によっては特定の政党を支持していたりするので、うかつなことを言えません。

しかし18歳選挙権若い世代の投票率の低下などの問題もあり、中学生の頃から政治に興味を持ってもらいたいもの。そこで今回は、たかまつななさんというお笑い芸人をご紹介したいと思います。著書「政治の絵本」にあるゲームが教室でも使えます。

 

きっかけはオリラジのあっちゃん

私がたかまつななさんを知ったきっかけは中田敦彦YouTube大学の動画です。あっちゃんは歴史・現代社会・国語など多岐に渡る内容を動画の中で紹介してくれています。

⇒後編はコチラ

この動画では、たかまつななさんの著書「政治の絵本」を参考に、選挙のしくみについてわかりやすく説明してくれています。この動画のおかげで、たかまつななさんの本がAmazonランキングの政治(かな?)ジャンルで1位になったそうです。影響力大!

 

「政治の絵本」を読んでみた

私も例にもれず、動画きっかけで「政治の絵本」を読みました。絵のタッチはたかまつななさんの芸風に合わせてベルばら風に描かれています。

政治の絵本 新版―学校で教えてくれない選挙の話
 
  •  選挙に行くのは自動販売機で飲み物を選ぶのと似てる
  • シルバー民主主義
  • 予算円グラフを見てみよう

など、普段難しく感じていることが簡潔な言葉で書かれているのでわかりやすかったです。教室に1冊置いておくのも良いと思います。

 

政治について学べるゲーム2選

「政治の絵本」では政治について学べるゲームが2つ紹介されています。道徳で選挙の話が出てきた時や、学活でも使えそうですね。英語教師であっても、本を読んでポイントをおさえていればできます。ゲームを行うには巻末についているカードを使うのですが、各班でゲーム行う場合は足りないので自作します。

 

逆転投票シミュレーションゲーム

選挙に行かないと不利益を被ることを実感してもらうゲームです。

  1. カードを引いてキャラクターを決める(60才のおばあちゃん、35才の主婦など)
  2. ある主張にたいして、その人物になりきって賛成か反対かを言っていく
  3. 全員の投票が終わった後、カードの裏に書いてある数字について説明する(この数字が世代別の人口と投票率なのです。ここは一番山場となるポイントなので、教室では黒板に書き出して一斉に説明してもいいでしょう)
  4. 投票結果に3.の数字を反映すると、賛成と反対の数が逆転する!?

百聞は一見に如かず↓

私はこの計算式が難しく感じたので、教室の中で人口比別にキャラクターを振り分けました。

3人に1人は高齢者と言われる時代なので、まずクラスの3分の1は高齢者。残りを10~50代で分けます。ここら辺の人口比をどれだけ今の日本に近付けるかは授業者の裁量次第。意外と今の日本の人口比って調べても簡単に出てこないので人数配分に苦労しました。社会の先生ならこだわりたいところですが、私は英語教師なので少しの誤差はご愛嬌。

 

1回目は、誰でも1人100ポイントとして投票して計算します。

2回目は、年代別投票率に応じてポイントを振り分けます。

年代別投票率の推移 | 公益財団法人 明るい選挙推進協会

このサイトによると60代の投票率は72.04なので72ポイント20代の投票率は33.85ポイントなので34ポイントと言った感じ。投票率ポイントで計算すると、1回目の結果と逆転する班がでてきたり、差が縮まったりする班がでてきます。逆転した班の投票結果については全体でシェアします。最後に振り返りを書いて終わりです。

 

とりあえずこのゲームで伝えたいのは「10代の君たちが選挙に行くことで日本の未来が変わるかもしれない。だから選挙に行こう!」ということです。どちらの方法であれ、逆転が成功しても失敗しても何かしらゲームを通して感じ取ってくれたらいいかなと思います。

 

その他メモ

  • 政治家役を決めて実際にスピーチしてもらうのも面白いかも
  • 振り返りで「若者の投票率がいくらだったら逆転しなかったか」を考えるのもいいかも
  • 逆転を成功させるには「高齢者ばかりが投票するA案」vs「若者ばかりが投票するB案」の対立が必要です。

 

クラスの人数によって、授業の前に色々シミュレーションが必要ですが、興味のある方は是非やってみてください。 

 

悪い政治家を見抜く人狼ゲーム

このゲームは、人狼ではなく悪い政治家を見抜くゲームです。生徒たちが人狼ゲームを知っている場合は楽しんでやってくれそう。グループ作りが成功と失敗の分かれ道という感じがします。

実は、私はこのゲームはクラスで試していません。「悪い政治家」というワードを教室で使うことに抵抗があったからです。冒頭でも述べたように、家庭によっては特定の政党を支持している人もあり、政治家=悪い人(も、いる)というイメージをこちらが提供してしまってよいものか、自信がなかったので挑戦していません。

 

三者が司会をしてくれたら安心なのに・・・という方は、出張授業を依頼してもいいかもしれません。

 

以上、政治について学べるゲームのご紹介でした。